
みさとりんのコスチュームは、再変身すると、
元の真っさらな状態に戻るようにプログラムされているわ。

じゃ、コスチューム・プレイ。
メグミは、みさとりんに変身する。

本当だ!
大丈夫そうね。

でも、あれだけ大量に液体を浴びてしまうと、
どこかに異常が残っているかもしれないから過信しないで。
どうも仮面の粘着力が弱くなっているような気がするの。
1時間ぐらいなら大丈夫だと思うけど・・・。
そして、コンファインという魔星が、フェアリー・スター星人の男性を
地下室に監禁しているという情報を聞き、みさとりんは、地下室に潜入した。
すると、男性は、柱にロープで、くくり付けられていた。

みさとりんか!
俺を退治しに来たな。
しかし、今は、お前の相手をしている暇はねぇ。
大人しくしていてもらうぞ。
スネーク・ロープ。
コンファインの放ったロープが、みさとりんの体を何周もし、
みさとりんも柱にくくり付けられてしまう。

ああっ!
動けない・・・。

俺の話が終わるまで、そこでジッとしていてもらおうか。
そして、コンファインは、男性と話を続ける。
しかし、その話が、また長い。
1時間ほどが経過した。
しかし、みさとりんも、その間、何もしていなかった訳ではなく、
話し込んでいるコンファインの隙を見ては、
体を小刻みに上下に動かし、柱の角でロープを切ろうとしていた。
そして、ようやく話が終わる。

よーし、取り引きも上手くいった事だし、
次は、みさとりんの相手でもしてやろうか。

ちょっと遅かったわね。

どういう事だ?

ロープが、切れたのよ。
みさとりんは、自由になった両手をコンファインに見せる。

お、俺が、話し込んでいる間に・・・。
そして、みさとりんは、バブル・ラップを放つ。

おわーっ!
コンファインは、泡で包まれる。

間に合って良かった。
しかし、みさとりんに変身後、1時間を経過していた事で、
粘着力が弱いままの仮面は、みさとりんの顔から脆くも剥がれ落ちた。

きゃっ!
みさとりんは、すぐに地面に落ちた仮面を拾い上げ、
装着するが、コンファインと監禁された男性に素顔を見られてしまう。

おおっ!
みさとりんの素顔が拝めるとは運がいいぜ。

みさとりんは、あんな顔をしていたんだ。

素顔を見られるなんて屈辱だわ。
コンファインが、ポシェットに吸い込まれる。

(顔を見られてしまったけど、コンファインの方は、
デビル・スターに送り返したからいいとして、
監禁された男性は、どうしよう・・・。
このまま帰せば、私の正体を暴露されるかもしれない。
かと言って、死んでもらう訳にもいかないし・・・)
すると、イヤリングから由衣の声がした。

みさとりん、監禁されている男性の額に人差し指を当てて、
「メモリー・イレイサー」と言うのよ。

メモリー・イレイサー?

そう、唯一、フェアリー・スター星人にのみ効く
記憶を消す事が出来る魔法よ。

そんな魔法があったんだ。

話は、後よ。
早く、その男性の記憶を消して。
みさとりんは、監禁された男性に近付き、

私の素顔を見てしまった以上、
あなたをこのまま帰す訳にはいかないわ。

命だけは助けてくれ。

大丈夫、安心して。
記憶を消すだけよ。

き、記憶・・・。
みさとりんは、手袋をした右手の人差し指を監禁された男性の額に当て、
メモリー・イレイサーと叫んだ。
すると、監禁された男性は、気を失って柱にもたれ掛かる。

これで本当にいいの?

ええ、大丈夫よ。
その男性に「みさとりん」の素顔を見た記憶は無いわ。
そして、みさとりんは、監禁された男性を揺すって起こす。

大丈夫?

お、俺は、ここで何をしていたんだ?
き、君は、もしかして「みさとりん」?

ええ、そうよ。
みさとりんよ。

みさとりんが、どうしてココに?

あなたが、監禁されていると聞いて助けに来たの。

そうだ!
俺は、魔星に監禁されていたんだ。
で、その魔星は?

私が退治したから、もう大丈夫よ。

そうか。
一安心する男性。

今、そのロープを解いてあげるわ。
みさとりんは、すぐに解けるよう、あらかじめロープを緩めておいたのだった。

ありがとう。
助かったよ。

でも、次の魔星が、ここに向かっているという情報を、
たった今、入手したわ。
ここに長居は無用よ。
今ならまだ間に合うから、早く逃げて。

分かった。
みさとりんは、奥にある出口を案内する。

この階段を下りて行けば、外に出られるわ。

みさとりん、礼を言うぞ。

ウフフ・・・。
そして、男性が、その場を立ち去った後、

クスッ。
芝居も、うまく行ったわ。
みさとりんは、得意気に手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこするのであった。