
お父さん、お母さん、学校に行って来るね~。
メグミは、いつものように元気に家を出て行く。
しかし、学校で、

昨日のバスケの試合、あんな事ではヒーローになんて、
とてもじゃないけどなれないわよ。
落胆するメグミ。

そうか・・・。
最後の頼みの綱だったバスケでも
ヒーローにはなれないのか・・・。
でも、せっかく生まれてきたんだから、
何か1つでも1番になれるものが欲しいな~。
メグミは、みさとりんに希望を託す事を考えた。
そして、学校が終わると、メグミは、真っ直ぐに家へと帰り、
自分の部屋で昨日の2人が現れるのを待った。

待っていれば、きっとまた2人に会えるはず・・・。
すると、メグミは、またも不思議な力によって、由衣と由夏の元へと案内される。

やっぱり、また会えたわね。

という事は、OKね。

ウフフ・・・。

その前に、もう1度、
みさとりんのコスチュームを見てみたいんだけど・・・。

いいわよ。
メグミは、マネキンの前に立つと、みさとりんのコスチュームをジッと見つめていた。

(救世主・・・。
私は、勉強もダメ、運動もダメ、料理もダメ、裁縫もダメ・・・。
となると、これが、1番になれる最後のチャンスかもしれない・・・)
メグミは、決心を固める。

私、みさとりんになる事を決めたわ。

良かった。
じゃ、服を脱いで、キャミソールとパンツだけになって。

えっ?
パンツ一丁になるの?

融合には、下着以外の余計な物は外さないといけないの。

女同士なんだから恥ずかしがらないで。

それと、髪型が変わるから、ポニーテールも解いて。
ストレートのロングヘアーにキャミソールとパンツだけになったメグミが、
マネキンの隣りに立つと、

心の準備は出来た?

はいっ!
メグミの体とコスチュームが眩いばかりの光に包まれ、融合が始まった。
白い光の中で、マネキンが身に付けていた手袋、ブーツ、マントといったアイテムが、
1つずつメグミの体に装着されていく・・・。

順調に進んでいるわね。

私達の計算通り、サイズもピッタリだわ。
そして、マネキンの着ていたコスチュームが、全てメグミの体に移動すると、
メグミは、聖なるコスチュームに覆われた「みさとりん」となった。
融合が完了し、静かに目を開ける「みさとりん」。
線画 by りるくてぃ様
着彩 by 未都様
そして、等身大の鏡で、自分の姿を見る。

こ、これが私なの?
でも、このコスチューム、着てみると、思ったより恥ずかしいわ。
この格好、変じゃない?

何を言っているの。
お似合いじゃない。
すごく可愛いし、格好いいわよ。

そう?
私って、おだてられると、すぐに調子に乗っちゃう方だから・・・。
「みさとりん」となったメグミは、得意気に手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこする。

さて、フェアリー・スターの救世主「みさとりん」も誕生した事だし、
後は、エビル・レボリューションを待つだけね。

デビル・レボリューション?
悪魔の革命って事?

ううん、「デビル」じゃなくて「エビル」。
「不吉」という意味よ。



10メートル!
そんなに接近したら、ビルなどの高い建物は壊れてしまうんじゃ?

幸い、いつも決まって、最接近する場所は、
荒野のような何も無い所だから、心配は要らないわ。

魔星は、元々は、私達と同じフェアリー・スター星人とは言っても、
デビル・スターの過酷な環境に耐え、
謎の天体X(エックス)から降り注ぐフレアーと呼ばれる光線を
大量に浴びる事で、遺伝子が異常を起こして、
強力な魔力を身に付けているから
フェアリー・スター星人より遥かに強いわ。

でも、みさとりんに変身すれば、コスチュームのおかげで
魔星なんて相手にもならないわ。
そして、時は、刻々と迫り・・・。
遂に250年ぶりのフェアリー・スターとデビル・スターの最接近の時が、やって来た。
魔星達を束ねる首領の「ゼウス」が、
デビル・スターで生き残った多くの魔星達と共に、
フェアリー・スターへと戻って来た。

よいか、皆の者。
フェアリー・スターにいる美少女を誘拐し、ハーレムを創るのだ。

御意に・・・。
魔星達は、一同に集結し、ゼウスのハーレム実現の為に忠誠を誓うのであった。