学校を終えたメグミは、友達のヒトミと下校していた。
すると、そこへ左腕が剣になった魔星・アームソードが現れた。

だ、誰っ?

俺は、アームソード。
魔星だ。

ま、魔星!

魔星が、私達に何の用なの?

ヒトミとやら、
お前が「みさとりん」かどうかを確かめる為にやって来た。

わ、私が「みさとりん」?
そんな訳ないじゃない。

お前は、俺達の調査の結果、みさとりんの候補者に挙がっているのだ。

な、何を根拠にそんな事を・・・。

ちょっと調べさせてもらうぜ。
アームソードが、右腕でヒトミのアゴをクイッとした。

キャーッ!

止めなさい!
メグミは、ヒトミを助けようとアームソードに体当たりをした。

ええーい。
お前に用は無いっ。
「バシッ!」
はじき飛ばされるメグミ。

あうっ!
そして、アームソードは、メグミの喉元に剣となった左腕を突きつける。

う、ううっ・・・。


お願い!
その子を殺さないで・・・。

フッ、お前は少女だ。
命だけは助けてやろう。
我らがゼウス様より、フェアリー・スターにいる少女には
傷一つ付けてはならんと言われておる。
ホッとする二人。

ヒトミとやら、今の一瞬で、
お前が「みさとりん」ではない事がハッキリした。
では、さらばだ。
アームソードは、その場を立ち去る。

今ので何が分かったというの?
ヒトミが「キャーッ!」と口を大きく開けた時に、銀歯が見えたのだった。
みさとりんは、フライ・アイの映像から虫歯が一切無い為、
歯の治療後が無い事が分かっていたのだ。
しかし、ヒトミの場合、外見は確認出来ても、
口の中までは見た事が無かった為、アームソードが調べに来たのだった。

メグミちゃん、私を助ける為とはいえ、相手は魔星よ。
フェアリー・スター星人の10倍の強さがあるのよ。
命知らずにも程があるわ。
メグミは、みさとりんに変身すると、いつも魔星に連戦連勝。
変身しなくても、なんとかなると有頂天になっていたのだ。
しかし、変身しなければ、こんなにも力に差があるのだと身をもって知るのであった。

それにしても、私が「みさとりん」だなんて、
スタイルがいいからかな?
うふふ・・・。
ヒトミは、右手の人差し指で鼻の下を擦る。

怖かったけど、嬉しいな。

(ヒトミちゃんと私は、身長もほとんど同じだし、
体型もよく似ている。
おまけに鼻をこする癖まで・・・。
魔星が狙うのも分かるような気がするけど、
私を「みさとりん」候補に思わないなんて失礼ね!)
怒るメグミ。

(ま、私の方が狙われていたら、
正体がバレてしまっていたかもしれないから、
今日のところは良しとしましょう)