メグミは、学校から帰った後、両親が経営する

花屋の仕事を手伝っていたところ、奇妙な客が現れた。

 

化学研究員化学研究員

パンギーの花を100本下さい。

メグミメグミ

えっ?

パンギーの花ですか?

この店には、そんなクサイ臭いのする花は、

売れないから置いていません。

化学研究員化学研究員

そうですか?

じゃ、スティンクの花を100本下さい。

メグミメグミ

スティンクの花も人気が無いので置いていません。

でも、どうしてそんなクサイ臭いのする花ばかり欲しいんですか?

化学研究員化学研究員

単なる私の趣味ですよ。

ま、無いんなら仕方無い。

では、スメリーの花は?

メグミメグミ

スメリーの花なら10本くらいなら有りますけど・・・。

化学研究員化学研究員

10本か・・・。

ま、いい。

じゃ、スメリーの花を・・・。

メグミは、スメリーの花を10本差し出すと、客は足早に、その場を去って行った。

 

メグミメグミ

あのお客、なんかクサイわね。

数日後、魔星らしき者が、森の近くに現れたとの情報を聞き、

メグミは、みさとりんに変身し、その森へと向かう。

 

すると、みさとりんに気付いた魔星らしき者は、森の中へと消えて行った。

 

みさとりんみさとりん

逃がさないわよっ。

魔星らしき者を追って森の中に入って行く「みさとりん」。

 

みさとりんみさとりん

どこへ行ったのかな?

何も知らず、森の中を彷徨う「みさとりん」。

 

そして、魔星らしき者は、木の影に隠れ、

みさとりんが近付くのを待って、強烈な臭気を噴射した。

 

みさとりんみさとりん

うわっ!

くっさぁ~い。

なによ、このニオイ?

手袋をした右手の人差し指を鼻の下に当て臭気を防ぐ「みさとりん」。

 

由夏由夏

どうしたの?

イヤリングを通して、由夏が声を掛ける。

 

みさとりんみさとりん

森の中を歩いていたら、突然、臭いニオイがしたの。

気分も悪くなってきたし、魔星も見つからないから、

もう引き上げる事にするわ。

化学研究員化学研究員

惜しい・・・。

あと一歩で「みさとりん」を気絶させる事が出来たものを・・・。

やはり、スメリー10本では少なかったか・・・。

次の日、スメリーの花を10本買った男が、またもメグミの店へと現れた。

 

メグミメグミ

あっ!

この前の変な客だ。

化学研究員化学研究員

スリープの花を100本下さい。

メグミメグミ

100本ですか?

そんなに多く買って大丈夫ですか?

香気で眠ってしまう可能性がありますよ。

化学研究員化学研究員

ええ、充分承知していますよ。

メグミメグミ

不眠症か何かで、お困りなんですか?

化学研究員化学研究員

いやいや、私には野望がありましてな。

実は、みさとりんの正体を暴こうと思っているんです。

メグミメグミ

えーっ!!

あのスーパーヒーローの正体をですか?

でも、何故?

化学研究員化学研究員

あなたも「みさとりん」に、10億円の懸賞金が掛けらている事は、

ご存知でしょう。

メグミメグミ

え、ええ・・・。

化学研究員化学研究員

君も「みさとりん」と同じぐらいの年頃だと思うが、

みさとりんの正体を知りたいとは思わないか?

メグミメグミ

そ、そりゃ~、知りたいですよね。

なんと言っても、みさとりんは、

フェアリー・スターの救世主ですもんね。

化学研究員化学研究員

そうだろー。

メグミメグミ

で、どうやって「みさとりん」の正体を暴くつもりなんです?

化学研究員化学研究員

それは、言えませんよ。

メグミメグミ

教えて下さいよ。

私だって、みさとりんの正体が知りたいんです。

なんなら、その計画、私と一緒にやりません?

もし、協力させてもらえるのなら、この花を半額にしてもいいですよ。

化学研究員化学研究員

ええーっ!

ほんとに?

それなら一緒にやりましょう。

その方法とは、みさとりんを、森の中へおびき寄せ、

スリープの花の香気で眠らせるのです。

メグミメグミ

(間違いない、この客だわ!

昨日の森での異臭は!)

みさとりんみさとりん

いい匂い、心が癒されそう。

でも、なんか、段々、眠くなってきたわ・・・。

その場に倒れる「みさとりん」。

 

そこへ防毒マスクを付けた男が現れる。

 

みさとりんみさとりん

あ、あなたは誰?

化学研究員化学研究員

ホッホッホッ。

どうやら「みさとりん」といえど、

この香気の前には、ひとたまりもなかったな。

みさとりんみさとりん

わ、私を、どうするつもりなの?

化学研究員化学研究員

決まってるじゃないか。

お前の正体を暴くのさ。

みさとりんみさとりん

わ、私の正体を・・・。

そ、そんな事させないわ・・・。

化学研究員化学研究員

フッ、この香気を吸った今、お前も、もう終わりだ。

男は、みさとりんの仮面に手を掛ける。

 

みさとりんみさとりん

そ、その手を離しなさい・・・。

あっ、でも、体が動かない・・・。

みさとりんは、抵抗する事が出来ず、仮面を剥がされてしまう。

 

みさとりんみさとりん

ダ、ダメーッ!

みさとりんは、顔を背けるが、男は、カメラのシャッターを何度も切っていた。

 

みさとりんみさとりん

や、やめてっ、写真を撮らないで・・・。

化学研究員化学研究員

ハハハ・・・。

みさとりんみさとりん

イ、イヤーッ!

化学研究員化学研究員

その写真を魔星に見せれば、10億円は、私の物。

もちろん、あなたにも報酬は支払います。

メグミメグミ

素晴らしいシナリオですね。

これなら「みさとりん」も一発ですよ。

化学研究員化学研究員

へへへ。

では、明日、ここへ来て下さい。

メグミは、その客の住所が記された紙を受け取った。

 

そして、客は、半額になったスリープの花100本を片手に上機嫌で帰って行った。

 

メグミメグミ

(私の正体を暴こうなんて、とんでもないわね。

懸賞金に目が眩んだようだけど、

私だって正体を見破られる訳にはいかないわ。

なんとしてでも阻止しないと・・・)

メグミは、すぐに由衣と由夏に、この事を話した。

 

由衣由衣

この男は、化学会社の元研究員。

自宅の地下に研究室まで作って毎日研究に没頭しているようだわ。

そして、その力を悪用し、数々の事件を起こして、

去年、勤めていた会社を懲戒解雇になっているわ。

メグミメグミ

だったら、花を使って強烈な臭気を

作り出す事が出来るのも頷けるわ。

メグミは、早速、みさとりんに変身し、研究室へと潜入した。

 

みさとりんみさとりん

すごーい!

さすが元研究員だけあって凄い設備ね。

そして、100本のスリープの花が漬けられている水槽を発見する。

 

みさとりんみさとりん

これが、私を眠らせる為の次の香気ね。

化学研究員化学研究員

そこで何をしているっ!

みさとりんは、見つかってしまう。

 

化学研究員化学研究員

おっ、お前は「みさとりん」!

何故、お前が、ここにいる?

みさとりんみさとりん

この前、私は、森の中を歩いていて臭気で気分が悪くなったの。

それで、その原因を調べていたら、ここに辿り着いたわ。

化学研究員化学研究員

ほぉー、さすがだな。

ここを突き止めるとは・・・。

しかし、丁度いい。

みさとりんよ、覚悟しろ。

ここで、お前の正体を暴いてやる。

研究員が、操作盤のボタンを押すと、

みさとりんのすぐ近くの噴射口から臭気が噴き出し、みさとりんの顔にかかった。

 

みさとりんみさとりん

きゃっ!

くさ~いっ。

みさとりんは、その場に倒れる。

 

化学研究員化学研究員

ハハハハハ、スリープの花は、まだ実験段階だが、

スティンクの花の臭気は、かなり応えただろう。

みさとりんみさとりん

ゴホッ、ゴホッ、一体、どこでスティンクの花を・・・。

化学研究員化学研究員

それは、言えないな。

みさとりんみさとりん

こんなにクサイ臭気は初めてだわ。

化学研究員化学研究員

ハハハハハ、終わったな。

では、お前の素顔、見せてもらうぞ。

みさとりんみさとりん

(だ、だめよ!

今の粘着テープの粘着力は、まだ回復していないわ。

このままでは仮面を剥ぎ取られてしまうわ・・・)

化学研究員化学研究員

おっと、そうだった!

お前の仮面は、留め紐から強力な粘着テープに変わったんだったな。

みさとりんみさとりん

どうして、それを?

化学研究員化学研究員

フフフ、俺は、魔星に魂を売ったのよ。

一生の自由を手に入れる為にな。

みさとりんみさとりん

魔星に魂を・・・。

化学研究員化学研究員

そうさ、みさとりんの正体を暴いた者には賞金10億円が出ると聞いて

魔星と手を組み、魔星が手に入れた情報は、俺にも伝えられるんだ。

だから、仮面の事も知っているのさ。

みさとりんみさとりん

そうまでして私の正体を・・・。

化学研究員化学研究員

お前の仮面の裏側に貼ってある強力な粘着テープは、

スパイダー・フルイドの液体を掛ければ、剥がれる事は分かっている。

みさとりんみさとりん

でも、スパイダー亡き今、

もう液体を手に入れる事は出来ないはず・・・。

化学研究員化学研究員

そんな事は無い。

俺は、スパイダーが死んだ後、あの工場に向かい、

地面に残った極少量の液体を持ち帰り、成分を調べ、

スパイダー・フルイドと同等の液体を作る事に成功したのだ。

みさとりんみさとりん

さすが、化学会社の元研究員・・・。

化学研究員化学研究員

みさとりん、俺の勝ちだ。

研究員が、その液体を持って「みさとりん」に近付いて来る。

 

みさとりんみさとりん

いや、あなたの負けよ。

バブル・ラップ

研究員は、泡に包まれる。

 

化学研究員化学研究員

なっ、何故、俺が、バブル・ラップで包まれるのだ?

みさとりんみさとりん

あなたが、フレアーを浴びているからよ。

化学研究員化学研究員

どうして?

俺は、フェアリー・スター星人だぞ。

みさとりんみさとりん

いいえ、魔星と手を組んだ今、あなたは、魔星も同然よ。

魔星は、フレアーを浴びていて、常時、放電しているから

魔星の近くにいると、フレアーが伝染するの。

魔星と交流する事で、あなたは知らず知らずのうちに

フレアーを帯びてしまったのよ。

化学研究員化学研究員

ウ、ウソだろ?

みさとりんみさとりん

嘘じゃないわ。

バブル・ラップが効いているのが何よりの証拠よ。

化学研究員化学研究員

お、俺をどうするつもりだ?

みさとりんみさとりん

決まってるじゃない。

デビル・スターに行ってもらうわ。

化学研究員化学研究員

みさとりんの正体を暴こうとしたぐらいで

デビル・スターなんて、おかしいぜ。

みさとりんみさとりん

それだけじゃないわ。

あなたは、化学会社に勤めていた頃、

毒ガスを製造して同僚など5人の命を奪おうとしたわね。

化学研究員化学研究員

デタラメだ!

みさとりんみさとりん

もう、あなたの事は、ちゃんと調べてあるのよ。

みさとりんは、研究員が過去に犯した全ての犯罪について語った。

 

化学研究員化学研究員

フッフッフッ・・・、そこまで俺の事を知っているとはな・・・。

みさとりんみさとりん

これだけの事をやれば、あなたは、もう完全に犯罪者だわ。

覚悟しなさい。

研究員は、ガックリとする。

 

みさとりんみさとりん

(決まったわ!)

「へへんっ」と言わんばかりに、

みさとりんは、手袋をした右手の人差し指を鼻の下で往復させる。

 

しかし、往復する指先が、仮面の下部に何度も当たる為、仮面がグラつき、

粘着力が弱いままの仮面は、その動作に耐えられず、剥がれ落ちた。

 

みさとりんみさとりん

キャッ!

みさとりんは、手袋をした両手で素顔を覆う。

 

化学研究員化学研究員

おっ、お前は、花屋の娘!

みさとりんみさとりん

私の正体を知ったところで、もう遅いわ。

シュート・イン。

研究員は、デビル・スターへと送られた。