
スライムのフレアーが消えた。
これは一体どういう事だ?

分かりません。
直ちに調査を始めます。
その頃、スター・シップの中では・・・。

その前に「みさとりん」に変身しないとね。
「コスチューム・プレイ」と唱えるのよ。

コ、コスチューム・プレイ・・・。
メグミは、眩いばかりの光に包まれる。

きゃっ、眩しいっ。
メグミは、聖なるコスチュームに覆われ、「みさとりん」となった。
そして、みさとりんが、「セイント・ガード」と唱えると、目の前に透明の壁が現れた。

それが、聖なる壁よ。
魔星の放つ全ての攻撃や魔法を防いでくれるわ。

鉄壁の防御、嬉しいわ。

では、この魔法を試す相手としては、ゴーストという魔星が最適かな。

ゴーストは、爆弾を使って多くの人を殺害した犯罪者よ。

爆弾って、恐ろしいわね。

でも、今は、フェアリー・スターに戻って来たばかりで
爆弾は所持していないはずよ。

このゴーストも魔星の中では最弱クラスよ。
みさとりんが、ゴーストの前に現れる。

なんだ、お前は?

私は、このフェアリー・スターを守る救世主
「魔星ハンター・みさとりん」よ。
この「みさとりん」がいる限り、
フェアリー・スターに魔星は栄えないわ。
(てへっ。
こんなクサイ事、仮面を着けていなかったら言えないわ)

子供のくせに何を格好つけていやがる。


俺をデビル・スターに送り帰すだと・・・。
へっ、笑わせるな。
怪我をしたくなかったら、ガキは早く帰んな。

痛い目を見るのは、あなたの方じゃない?

何だと!
もう、頭に来たぜ。
俺の恐ろしさを思い知らせてやる。
喰らえ、サイクロン・アタック。

セイント・ガード。
イラスト by SAHARA様
個別依頼作品
みさとりんの前に聖なる壁が現れ、
たちまちゴーストの放ったサイクロン・アタックは消え去った。

なにぃーっ!
俺のサイクロン・アタックが・・・。

だから言ったでしょ。
私の前では、あなたの力なんて、こんなものなのよ。
みさとりんは、得意気に手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこすった後、バブル・ラップ。
みさとりんの指先から泡が発生し、ゴーストが、泡に包まれる。

こ、これは、どういう事だ?

デビル・スターへ帰ってもらう為に、あなたを泡で包んだのよ。

嫌だ。
あんな所へは、もう帰りたくない。
止めてくれ。

イラスト by SAHARA様
魔法少女の全身のイラスト制作コンペ
最優秀賞受賞作品
みさとりんの腰に下げたポシェットのフタが開き、
ゴーストは、凄まじい吸引力によって吸い込まれていく。

おわーっ!
ゴーストは、ブラックホールを通ってデビル・スターへと帰った。
そして、スター・シップ内へと戻る「みさとりん」。

みさとりんに変身すれば、魔星なんて赤子同然ね。
あれが本当に魔力を身に付けた者なのかと思ってしまうわ。

気持ちいいでしょ。

さあ、どんどん行きましょう。
次の魔星は・・・。

その前に聞きたい事があるんだけど・・・。

何?

こうやって、魔星をデビル・スターに送り帰しても、
また250年後には、魔星達が戻って来て、
フェアリー・スターに危機が訪れるのなら、
なぜ、デビル・スターへ囚人を送り続けているの?

フェアリー・スターの住人の税金対策よ。

刑務所に囚人を収容しておく為には、色々と費用がかかるでしょ。

フェアリー・スターで最も重い刑罰は、終身刑という事もあって
囚人をデビル・スターに送らないと、
囚人は、増える一方になってしまうの。

囚人達を食べさせていく為に、住人の税金が使われるから、
住人の負担は増えるばかりで、それを何とかしようと、
官僚達は、囚人をロケットでデビル・スターに送る事を考えたの。

送られるのは、強盗殺人などの重い罪を犯した者だけだけどね。

この策が、功を奏して、
犯罪者は減る、税金は安くなるといった具合に、
いい事ずくめかに思えた・・・。

でも、これには1つ誤算があったわ。
それは、囚人達が、フレアーによって魔力を身に付け、
フェアリー・スターに戻って来た事。

みさとりんの登場により、事態は収束して、
囚人をデビル・スターへ移送する事は、一時的には止めたんだけど、
やはり、治安の維持や税金の高騰を防ぐには、
デビル・スターへの移送は必要不可欠だったわ。

囚人達が戻って来ると言っても、次の最接近は250年後。
自分の代さえ問題無ければいいと思った官僚達は、移送を再開したの。

もし、魔星が戻って来たとしても、
また「みさとりん」となる者が現れ、
この星を救ってくれるだろうと・・・。

もうっ!
ほんと、いい加減ねっ。

私達は、その後、亡くなり、超魔術によって幽体となり、
次の「みさとりん」の手助けをする事と
フェアリー・スターの平和を守る為に存在する事になったの。