みさとりんの前に、謎の少女が現れた。

あなた、みさとりんね。

ええ、そうよ。

昔は、救世主と呼ばれていたそうね。

よく知っているわね!

私の遥か祖先のおばあさんは、250年前、救世主だったの。

本当?


そんな事、あの2人が、するはずが無いわっ!
(でも、どうして、由衣と由夏の名前を?
みさとりんの関係者以外、誰も知らないはずなのに・・・)

そして、救世主を解任されてしまったの。
その後、ショックで自ら命を絶ったわ。
私は、あなた達が許せないの。

ちょ、ちょっと待って。

逃げるの?

そうじゃないわ。
その事について調べたいの。
みさとりんは、スター・シップ内にテレポートした。

由衣、たった今、意味深な事を話す謎の少女に出会ったわ。

歴代の救世主だけど、実は、4代目と5代目の間に、
もう1人、救世主になった人がいたの。

この前の話では、そんな事、聞かなかったわよ。

あまりにも凄惨な内容だからね・・・。

4代目の救世主の時の話になるんだけど、
鬼頭魔姫(きとう まひめ)という中学1年生の少女がいたの。

確かに、彼女は、本当に実力のある少女だった。
それで、次の救世主にしたんだけど、私達も考えが甘かったわ。

性格は、悪魔のようで、最初は、魔星を退治していたんだけど、
いつからか、魔星を服従させるようになって、
魔星を使って世界を征服する事を考え出したの。

危険だと判断した私達は、
彼女から変身する能力を奪い、救世主を解任したの。

そして、救世主の歴史から永久追放したの。

その後、彼女が、どうなったかは、
今日、会った謎の少女から聞いた通りよ。

彼女を救世主にした事を今でも後悔しているわ。

それにしても、あの謎の少女、すごく気になるわ。
あれだけの事を話せるなんて、
救世主の子孫っていう事も、まんざら嘘でも無さそうだし・・・。
みさとりんは、再び謎の少女の前に姿を現した。

逃げたと思ったら、そうじゃなかったのね。

あなたの先祖が、救世主だったって話だけど、
邪悪な心を持っていたから、解任されたのよ。

なんと言われようと、私は、先祖の言う事しか信じない。

遺書には、他にどんな事が書いてあったの?

2人の女神に復讐しろと・・・。

それは無理よ。
あの2人を危険な目に遭わせる事は出来ないわ。

だったら、あなたに地獄を味合わせてやるわ。
そのコスチュームには、救世主の呪いが掛かっているの。

呪い?
そんなもの、信じる訳ないじゃない。
みさとりんのコスチュームは、完全無欠よ。

そう思うなら、受けるがいいわ。
謎の少女は、何やら呪文を唱え始めた。

ハンニャバラバラボツシンシンシクメラメラ
メッセーサツサツウラキレキレジゴジンジン・・・。
そして、

カース・オブ・ザ・スカート。
すると、みさとりんのスカートが、足元までズリ落ちた。

きゃっ!
みさとりんは、慌てて、スカートを手袋をした両手で引っ張り上げ、元の状態に戻す。

スカートのベルトが、突然、外れるなんて・・・。

今のが偶然だと思っているようね。
じゃ、これは、どう?
ハンニャバラバラ・・・。
またも、謎の少女は、さっきの呪文を唱え始めると、

カース・オブ・ザ・マント。
今度は、みさとりんの胸の前に付いてあるブローチが外れた。
マントは、胸のブローチで留めてあった為、ブローチが外れた事で、
マントが、みさとりんの体の後ろ側に落ちてしまう。

マントが勝手に外れるなんて・・・。
こんな事は初めてよ。

次は、あなたの正体を暴いてあげるわ。
ハンニャバラバラ・・・。
カース・オブ・ザ・マスク。
みさとりんの仮面が外れ、地面に落ちた。

キャッ!
みさとりんは、手袋をした両手で素顔を覆う。

そんなバカなっ!
最高の能力を持った仮面が・・・。

フフフ・・・。
呪いは、そんな甘いものじゃないわ。
どんなマスクであろうと、呪いには勝てないのよ。

し、信じるしかないわね・・・。

最後に究極の呪いを掛けて、おばあさんの仇を取った事にするわ。

私の命とも言える仮面を剥ぐ事よりも、すごい呪いなんて・・・。
こうなったら、タイム・ストップ。
みさとりんは、時を止めた。

あなたは、私の正体を知ってしまった。
魔星であれば、デビル・スターへ送って終わりだけど、
あなたは、そうはいかない。
かと言って、あなたに死んでもらう訳にもいかない。
だから、あなたの記憶を消す事にするわ。
みさとりんは、謎の少女の額に手袋をした右手の人差し指を当て、
メモリー・イレイサーを使った。

これで、私の素顔を見た記憶は無いわ。

みさとりん、もうそんな気持ちの悪い少女とは離れた方がいいわ。
みさとりんは、タイム・ストップを解除した後、スター・シップに戻った。

それにしても、鬼頭魔姫のヤツ、みさとりんのコスチュームに、
こんな呪いを掛けていたなんて、どこまでもとんでもない奴ね。

それで、最後に言い残した究極の呪いって、何だったんだろう?
由衣は、次々に呪いを解いていく中で・・・。

と、とんでもないわ・・・。
その呪いとは、ポシェットのフタを開けて、
みさとりん自身を吸い込むものだったみたい・・・。

エエーッ!
私を、デビル・スターへ送ろうとしたって事?

なんと恐ろしい・・・。


とにかく、これら全ての呪いを無効化するように
変身プログラムを変更したわ。

ほっと一安心ね。
