みさとりんは、ジャックのいる所へ向かう。

ジャック、昨日は、よくもやってくれたわね。
あんな屈辱、初めてだわ。

また、留め紐を切られに来たのか?

今度は、前のようにはいかないわよ。
よく見てご覧なさい。
みさとりんは、耳の横の髪を掻き上げる。

仮面の紐が無くなっている!
粘着テープに替えたのか?

それは秘密よ。

まあ、いい。
このナイフで、お前を切り刻んでやるぜ。
ジャックは、ナイフを構えた。

私はマジシャンよ。
あなたに手品を見せて上げるわ。
イッツ、ショータイム。
そう言った後、タイム・ストップで時を止める。
そして、ジャックに近付き、持っているナイフをバラの花に差し替えた後、
ジャックと距離を取って、タイム・スタート。

いくぜ。

その前に、あなたの持っているナイフをよく見てみるのね。

な、なんだ、これは?
バラじゃねえか!

ウフフ、だから言ったでしょ。
私は、マジシャンだって。
みさとりんは、「クスッ」と笑い、手袋をした右手の人差し指で鼻の下を擦る。

信じられないような手品だ・・・。
ならば、これは、どうだ!
ジャックの手にレーザーナイフが現れた。


でも、私に近付かなければ、私を刺す事は出来ないわ。
ジャックが、突っ込んで来る。

イッツ、ショータイム。
そして、タイム・ストップ。
時を止め、ジャックとは反対側に移動し、距離を取る。
そして、タイム・スタート。

なにぃ?
みさとりんが消えた!

私は、ここよ。
ジャックは、振り向き、驚く。

い、いつの間に俺の後ろ側へ?

どう、すごいでしょ。
私は、瞬間移動も出来るのよ。
これで貴方は、私に近付く事さえ出来ないわ。

これも信じられんマジックだが、
ならば、秘奥義「レーザー・ランチャー」。
ジャックが、レーザーナイフを「みさとりん」目掛けて発射する。

強風によって、レーザーナイフが押し戻され、ジャックの額に突き刺さる。

げふっ!
その場に倒れるジャック。

な、なぜ、実体の無いレーザーナイフが・・・。

ビッグ・ウインドは、物だけでなく、
魔星の攻撃そのものも跳ね返す事が出来るの。

とてもマジシャンとは思えん。

実は私、魔法使いなの。
嘘ついちゃってゴメンね。
みさとりんは、ペロッと舌を出しながら、手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこする。

自分の武器で、やられるなんて、あなたに相応しい死に様だわ。
みさとりんは、ジャックの亡骸をデビル・スターへと送った。