
もう止めてよ~!
すぐにメグミは、みさとりんに変身し、ウィスプのいる場所に現れた。

お止めなさい!

みさとりんか!
少年が、みさとりんに助けを求め、走って来る。

さあ、私のマントの中に入って。
少年をマントで覆い、助ける「みさとりん」。

もう大丈夫よ。

うん。

弱い者いじめは、この「みさとりん」が許さないわ。

ホッホッホッ、私は、ただ少年の遊び相手になっていただけよ。

ウソ、この子に向かって弾をたくさん発射しているのを見たわ。

当ててはいないわ。

でも、もし、当たっていたら大ケガをしていたかもしれないわ。

この程度の攻撃でも?
ウィスプは、みさとりんに向かって複数の弾を発射した。
みさとりんは、マントで防御する。
「バチバチバチッ!」
全ての攻撃がマントで防がれる。
しかし、その音を聞いた少年は、恐怖のあまり、地面に両膝を付き、
みさとりんの履いているロングブーツに抱き付いた。

ひぃーっ!

エアーガン並みの威力ね。
私のマントだから大丈夫だったけど、これはヒドイわ。

オー、ホッホッホッ。
私の攻撃をマントなどで防ぐとは、私もナメられたものだわ。
許さない。
ウィスプは、先ほどの弾よりも遥かに威力のある弾を連射した。

「ドカドカドカッ!」

もうこれは当たったら確実にあの世行きのレベルだわ。
許せない、バブル・ラップ。

ウヒャーッ!
みさとりんは、バブル・ラップでウィスプを包んだ。

どうか、お許しを・・・。

誰が許すもんですか。
その頃、みさとりんのマントの中で小さくなり、
みさとりんの足首に抱き付いていた少年は、上を見上げた。
すると、みさとりんのスカートの中が丸見えになり、
パンツのお尻の部分に描かれたクマの顔が目に入った。

あっ!
クマのパンツ。

きゃっ!
私のスカートの中を見たのね。
みさとりんは、慌てて少年をマントの外に追い出し、再びマントで自分の体を覆う。

いや~ん、助けてあげてるのに
私のスカートの中を覗くなんて、もうっ、悪い子ねっ。

おー、これはこれは奇遇だわ。
私もクマのパンツを履いているのよ。
ウィスプは、スカートをヒラリと翻し、クマのパンツを見せた。

私達は仲間よ。
早くここから出して。

何を言っているの。
あなたのパンツなんて見たくも無いわ。
えいっ。
ウィスプをポシェットの中に吸い込み、デビル・スターへと帰す。
そして、少年に、

こんな所で遊んでいるから魔星に襲われるのよ。
早く家に帰りなさい。
少年を見届けた後、みさとりんは、スター・シップへと戻ると、
変身を解いて普段の生活に戻り、ヒトミと会っていた。

ねえ、メグミが、今一番欲しい物は何なの?

私は、やっぱりロングブーツかな。

ええーっ!
メグミにロングブーツなんて絶対に似合わないわよ。

なんですって。

でも、なんでまたロングブーツなんか欲しいの?

暖かそうだし、大人の女って感じで格好いいじゃない。
ポカーンとするヒトミ。

ま、メグミには10年早いわ。

お母さん、今年のクリスマスプレゼント。
私は、ロングブーツが欲しいわ。

何を言っているの。
あんな高い物、メグミにはスニーカーで十分よ。

やっぱり無理か・・・。
スター・シップに移動した後、

じゃ、みさとりんに変身してブーツを履こう。
メグミは、みさとりんに変身した。

う~ん、やっぱりロングブーツは、いいな~。
みさとりんは、大人になった気分がして、
得意気に手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこする。

今日は天気もいいし、ロングブーツを履いて散歩するのって最高!
すると、スチールという魔星に出会った。

私は、スチール。
ブーツを盗んで集めるのが趣味なの。
あなたもいいブーツを履いているわね。

とんでもない。
これは、私の大事なブーツよ。

みさとりんのロングブーツなんて、
こんなに美味しいブーツは他に無いわ。
エアー・ジャッキ。
みさとりんの体が宙に浮かぶ。

どういう事?
体が勝手に持ち上がったわ。

頂くわよ。
スチールは、両手で「みさとりん」の両足のブーツを掴む。

やめなさいっ。
みさとりんは、両足をジタバタさせ、ブーツ狩りから逃れる。

あなたなんかにブーツを盗られてたまるもんですかっ。

それでは、これはどうだ。
ブーツ・ハンティング。
みさとりんのブーツが、スルリと勝手に脱げた。

ああーっ!
私のブーツが!

ハッハッハッ。
みさとりんのブーツ、確かにもらったわよ。
そして、私は、ブーツのニオイを嗅ぐのも趣味なの。
スチールは、みさとりんのロングブーツのニオイを嗅いだ。
すると、

ク、クッサーッ!
こんな臭いブーツは初めてよ。
世界一臭いわ。
とても少女とは思えな・・・。
スチールは、卒倒した。
みさとりんは、ロングブーツを取り返し、履き直す。

手袋よりブーツの方が臭い事は分かっていたけど、
まさか、ここまで臭いとはね・・・。
それにしてもブーツを盗む貴方を許す訳にはいかないわ。
バブル・ラップ。
スチールを泡に閉じ込める。
そして、辺りを見回すと、小屋があり、中を覗いてみると、
そこには、1,000足以上のブーツが並んでいた。

よくまあ、こんなにも盗んだものね。
呆れる「みさとりん」。

あなたは、もうデビル・スターに帰りなさい。
スチールをデビル・スターに帰した後、
みさとりんは、ブーツの1つを手に取り、ニオイを嗅いでみた。

うわっ!
くさっ。
やっぱり、誰のブーツでもクサイのは一緒よね。
それにしても、これらのブーツを持ち主に返さないと・・・。
みさとりんは、メグミに戻った後、小屋の場所を警察に教えるのであった。