
危なかったわ。
それにしても、よく仮面を剥がされずに済んだものだわ。

みさとりんの本来の仮面は、
物理的な力によっては剥がされる事は無いの。

それに、粘着テープの時と違って、痛くもなかったでしょ。

ほんと不思議・・・。

でも、自分でだったら、簡単に外せるのよ。

そうなの?
みさとりんは、仮面を取ってみた。

あっ、本当だ!

その手袋をした手でなら外せるの。

信じられない・・・。

また、仮面を着け直しても、粘着力が弱まるなんて事も無いのよ。
みさとりんは、一度はずした仮面を、もう一度つけてみたが、剥がれる気配は全く無かった。

一体、どういった原理なのか、全く分からないけど、
みさとりんの本来の仮面って、すごいのね。
そして、次の4人衆。
ローズの砦から少し離れた所に塔が建っていた。

この塔の最上階には、エルフがいるわ。
エルフは、自分の部屋だけに結界を張っているんだけど、
この前、森が燃えて見えていたのは、このエルフの結界だったようね。
こんな高い場所に結界を張るから私達に見つかるのよ。
クスッ。

そして、エルフに会う為には
塔の中にある螺旋階段を上っていかないとダメなの。

そんなのエアー・フライトで最上階まで、ひとっ飛びだわ。

それが、そういう訳にはいかないの。

螺旋階段を上り切った先にエルフの部屋があって、
塔である事を利用して、階段の1段1段にスイッチを設けて
全ての段を踏んだ場合のみ結界が解かれる仕組みになっているの。

なんか面倒くさい・・・。
みさとりんは、塔の扉を開けて中に入ると、螺旋階段を1段ずつ上って行った。
そして、3分の1ほど上ったところで・・・、

いくら空を飛べるとは言っても、下を見ると怖いし、
下からスカートの中を覗かれていないか気になってしょうがないわ。
そう思いながらも螺旋階段を上り続ける「みさとりん」。
そして、3分の2ほど上ったところで・・・、

そして、とうとう階段を1段も飛ばす事無く最上階付近まで上り詰めると、
目の前に結界で包まれたエルフの部屋があった。

残り数段よ。
これで結界は消えるのね。
すると、その時、壁に空いた穴から手が出て来て、みさとりんの足首が掴まれる。

きゃっ!
転倒する「みさとりん」。

お前をエルフ様の所には行かせないぜ。

誰っ?

俺は、ストリップ。
エルフ様の護衛よ。
そして、ストリップは、両手で「みさとりん」のブーツを脱がそうとした。

何をするの?
その手を離しなさい。
しかし、ブーツは、なかなか脱げない。

ブーツは、脱ぎにくいのよ。
止めなさい。
すると、ストリップは、手を変え、今度は、ブーツのかかとを持って脱がそうとする。

ああーっ!
ブーツの弱点を・・・。
ブーツが、スルリと脱げそうになるが、みさとりんは、手で押さえ、阻止する。

私のブーツを脱がそうなんて許せない。

ギャーッ!
みさとりんは、ストリップを撃退した。
そして、みさとりんが、最後の1段を踏むと、エルフの部屋の結界が解かれた。

ふぅーっ、やっとだわ。
エルフの部屋へ入る「みさとりん」。

ここまで上って来たのは、お前が初めてだ。
褒めてやるぞ。

結界も解かれ、護衛である魔星もいなくなったのに、大した余裕ね。

だが、お前のバブル・ラップは、脅威だ。
エルフは、みさとりんのいる所に結界を張った。
結界に挟まれ、動けなくなる「みさとりん」。

きゃっ!
結界は、ちゃんと解いたはずじゃ・・・。

結界なんてモノは、どこにでも何度でも張る事が出来るのだ。
これでバブル・ラップは使えまい。

ううっ、そんな・・・。
今までの苦労が水の泡じゃない。

それでは、ゼウス様の所まで一緒に来てもらおうか。

(動けない・・・。
どうすればいいの?
そうだ!
奥の手があった!)
みさとりんは、ガクッとする。

足が痛い・・・。

ハハハ、ヒールの高いブーツなど履いて階段を上がって来るからだ。

ブーツが、キツイわ・・・。

哀れな奴よ。
自分の靴で苦しむとは・・・。

ブーツを脱ぎたいの。
両手を自由にしてくれない?

ハッハッハッ。
そう言って結界を解かせ、バブル・ラップを使うつもりだな。
お前の策略など、とっくに見抜いているわ。

くっ・・・。

よし、自分で脱ぐ事が出来んのなら俺が脱がせてやろう。
ストリップのやり方を見て、かかとを引っ張れば、
簡単に脱げる事は分かっている。
エルフは、みさとりんのブーツを脱がせた。

それにしても凄い汗だな。
湯気まで出ているぞ。

いや~ん、恥ずかしい。
ここまで上って来たんですもの。
仕方無いわ。
でも、私の清楚なイメージが崩れるから
ブーツのニオイだけは嗅がないでね。

そう言われると、嗅ぎたくなるんだよな。
エルフは、ブーツのニオイを嗅ぐ。

おわっ!
エルフは、あまりの臭さに一瞬、気を失った事で、結界が緩んでしまう。

しめた!
みさとりんは、すかさずバブル・ラップ。
エルフは、泡に包まれた。

卑怯だぞ、みさとりん。

ふふっ。
私の罠にハマった貴方が悪いのよ。
みさとりんは、作戦が成功した事で、得意気に手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこする。

エルフは、デビル・スターに送られた。

危ないところだったわ。
そして、みさとりんは、自分でもブーツのニオイを嗅いでみたところ、卒倒しそうになった。

うわっ!
こりゃ、くさいっ!
ゲホッ、ゲホッ・・・。
いくら臭いとは言っても、ここまでとはね。
今のクタクタのブーツだと、毒ガスよりキツイかも・・・。
そして、みさとりんは、水虫になってしまった。

かゆ~い。
足の裏が痒い・・・。
きっと、ブーツを履いているせいだわ。