某少年によって、みさとりんの動画が、動画サイトに投稿され、
わずか1日で再生回数100万回を記録する事となった。
そして、この快挙は、テレビのニュースでも取り上げられ、
みさとりんの噂は、瞬く間に世界中に広がった。
そんな中、ジャックとカメレオンを退治した「みさとりん」は、
スター・シップ内の自分の部屋へと戻り、鏡で自分の顔を見ていた。
すると、仮面のズレは全く無く、仮面は、ピッタリと顔に貼り付いていた。

これで、仮面の剥がれの問題は解消されたわ。
留め紐よりも粘着テープの方が絶対いいわ。
そして、コントロール・ルームに戻ると、

みさとりん、次の魔星が見つかったわ。

連戦になるけど、大丈夫?

全然、問題無いわ。
不安材料が、1つ減って、気分がいいの。
次の相手は、アバターという分身の術を使う魔星だった。

お前に、俺を捕まえる事が出来るかな?

言ったわね。
アバターは、泡に包まれた。

ふん、他愛も無いわね。
みさとりんは、得意気に手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこする。

おっと、俺は、ここだぜ。
みさとりんが、真横を向くと、そこにはアバターがいた。

えっ?!
確かにバブル・ラップで包んだはず・・・。

泡の中に入っている俺を見てみな。
確かに泡の中にアバターはいた。
しかし、数秒すると、消えて無くなった。

どういう事?

俺は、分身の術が使えるのさ。
お前が包んだのはニセモノで、本物は、この俺だ。

じゃ、分身する前に包んであげるわ。

おっと、その前に
俺の秘儀「アバター・ハンドレッド」を見せてやるぜ。
アバターが、100人になり、みさとりんを取り囲んだ。

こんなに、たくさんのアバターが・・・。
すると、由夏が、

大丈夫。
メデューサの時も、100以上のモノを、泡で包んだじゃない。

そうだったわね。
みさとりんは、バブル・ラップを乱れ撃ちする。
手袋をした右手と左手の人差し指から、計100個の泡が発射され、
アバター全員が、泡に包まれた。

ひぇーっ、100人も包んでしまうとは・・・。


おっと、失礼するぜ。
泡で包んだのは全て分身で、本物は「みさとりん」のすぐ後ろにいた。
そして、アバターは、背後から「みさとりん」の仮面に手を掛ける。

きゃっ!

お前のマスクの下の素顔、見せてもらうぜ。
アバターが、後ろからマスクを剥ぎ取ろうとする。
しかし、粘着テープで、しっかりと固定されている為、外れなかった。

うっ、なぜ、取れん?
ん?
留め紐が無くなっているぞ・・・。

その手を離しなさいよ。
皮膚まで剥がれそうで痛いじゃない。
もうっ、私の仮面に手を掛けるなんて許せない。
みさとりんは、振り向くと、


ぐわーっ!
電撃を浴びてダウンするアバター。
しかし、本物のアバターは、電撃を受ける前に分身し、安全な場所に移動していた。

また、分身だったの?
しつこいわね。

お前のマスクが、留め紐から粘着テープに
変わっているとは知らなかった。

留め紐のままだったら、完全に仮面を剥がされていたわ。

それでは、100人がダメなら、1,000人は、どうだ。
アバター・サウザンド。
アバターが、1,000人に分裂した。
今度は、由衣が、

みさとりん、バブル・ラップは、1,000は無理よ。

みさとりんは、時を止めた。

本物なら、影が有るはず・・・。
みさとりんは、辺りを探した。
すると、岩の陰に隠れていたアバターを発見。


うわっ!
泡に包まれているぞ!
どういう事だ?

岩の陰が怪しいと思ったら、やっぱり、ここに隠れていたのね。

うわーっ!
待ってくれ。
俺は、デビル・スターになんか帰りたくないんだ。

よくも手こずらせてくれたわね。
今度こそ、本物のアバターが、ポシェットの中へと吸い込まれた。

ふぅーっ、汗を掻いてしまったわ。
戦いは終わったが、みさとりんの顔には汗が垂れていた。
そして、みさとりんは、ハンカチで汗を拭き取ろうとしたが、
仮面が邪魔で、汗を拭う事が出来ない。
留め紐の時は、少し留め紐を伸ばせば、仮面と顔との間にタオルを入れて、
汗を拭き取る事が出来たが、粘着テープだと、それが出来ない。
かと言って、一度、仮面を外してしまうと、粘着力が弱まってしまい、
再度、仮面を着け直した時に剥がれやすくなってしまう。
また、粘着テープを剥がす時には、多少の痛みを伴う。
そして、汗は、次第に仮面の粘着力を弱めていくし、
顔のかぶれ、痒み、汗疹が出来るなどの皮膚トラブルも否定できない。
留め紐から粘着テープに変わった事を喜んだ「みさとりん」ではあったが、
粘着テープの思わぬ欠点に悩むのであった。