作業服姿の男性が息を切らしながら走って来て道端に座り込んだ。

 

メグミメグミ

どうかしましたか?

弟

ハァハァ、私の工場に強盗が入って来て、

命の危険を感じたので、ここまで逃げて来たんです。

メグミメグミ

それなら早く警察を呼ばないと・・・。

弟

呼ぼうと思いましたが、逃げるのがやっとでした。

メグミメグミ

じゃ、私が代わりに通報してきてあげる。

メグミは、曲がり角を曲がると、すぐにスター・シップ内に移動し、由衣から話を聞いた。

 

メグミメグミ

なんかクサイと思ったら、やっぱり魔星の仕業だったのね。

メグミは「みさとりん」に変身し、工場へと向かう。

 

スパイダースパイダー

お、お前は「みさとりん」!

みさとりんみさとりん

外で怯える男性を見て駆け付けたの。

私がいる限り、フェアリー・スターに魔星は栄えないわ。

スパイダースパイダー

カッコイイ事言って、後で後悔するなよ。

喰らえっ、スパイダーネット。

スパイダーは、蜘蛛の巣を放ち、みさとりんを捕えた。

 

みさとりんみさとりん

きゃっ!何これ?

スパイダースパイダー

どうだ、身動き出来まい。

蜘蛛の巣が「みさとりん」のコスチュームに絡み付く。

 

みさとりんみさとりん

いや~ん。動けない。

スパイダースパイダー

ハッハッハッ。真の恐怖はこれからだ。スパイダーフルイド。

蜘蛛の糸から液体が出始め、コスチュームを伝って流れ落ち、

手袋やブーツの中へと入って行く。

 

みさとりんみさとりん

いや~ん、気持ち悪~い。

スパイダースパイダー

お前の相手は後でゆっくりしてやる。

しばらく、そこでジッとしているんだな。

みさとりんみさとりん

何をするの?

スパイダースパイダー

ここの工場の連中が、魔星破壊銃という

俺達にとって厄介な物を製造していると聞いて、

銃とそれを作る設備を破壊しに来たのよ。

みさとりんみさとりん

そんな事、させないわ。バブル・ラップ。

しかし、みさとりんの指先から泡が出ない。

 

みさとりんみさとりん

どうしたというの?泡が出ないわ。

右のイヤリングから由衣の声が聞こえる。

 

由衣由衣

さっきの液体によって、手袋の中の吸収体がイカれて、

エネルギーを蓄えられなくなったのよ。

みさとりんみさとりん

そ、そんな・・・。

次に左のイヤリングからも由夏の声が聞こえる。

 

由夏由夏

それだけじゃないわ。その液体は仮面の裏側に貼ってある

粘着テープを溶かす効果もあるみたいよ。

みさとりんみさとりん

ええっ?!そんな事言われたって、

この状況だと仮面を手で押さえる事も出来ないわ。

スパイダースパイダー

ハハハハハ。俺が、この工場を破壊し終わる頃には、

お前のマスクは剥がれ落ちている事だろう。

みさとりんみさとりん

あなたのような魔星に正体を暴かれてたまるもんですかっ!

スパイダーは、銃を製造する設備にスパイダーフルイドの液体を掛け始めた。

 

兄

やめろーっ!

先ほど道端に座り込んでいた男性(弟)が、兄と共に戻って来た。

 

兄

そこまでだっ!

兄が魔星破壊銃を構える。

 

スパイダースパイダー

ほほう。お前も持っていたのか!

そいつを渡してもらうぞ。スパイダーネット。

兄

うわーっ!

兄も弟も「みさとりん」と同じように蜘蛛の巣に捕えられ、

その後のスパイダーフルイドによって体が液体でベトベトになる。

 

スパイダースパイダー

魔星破壊銃を頂くぜ。

兄

誰がお前なんかに・・・。

兄は、スパイダーネットに捕らえられながらも発砲する。

しかし、蜘蛛の巣が邪魔をして手元が狂い、

弾は1トンの鋼材を吊ったクレーンのワイヤーに当たった。

 

スパイダースパイダー

こんな妙な物を作る奴を生かしておく訳にはいかん。

スパイダーミイラ。

兄と弟に掛かった液体の浸食が激しくなり、兄の方が先にミイラとなる。

 

みさとりんみさとりん

いやんっ。

みさとりんは目を背ける。

 

スパイダースパイダー

ハハハ、みさとりん。この兄弟の次は、お前がこうなるのだ。

魔法を封じられた「みさとりん」。

 

大ピンチではあったが、先ほど兄が放った銃弾によって、

切れかかっていたクレーンのワイヤーが、1トンの重さに耐え切れず落下。

 

その真下にいたスパイダーの頭に当たった。

 

スパイダースパイダー

グハーッ!バ、バカなっ!俺がこんな所でやられるとは・・・。

魔星とはいえ、1トンの鋼材が頭部を直撃しては、ひとたまりもなかった。

 

スパイダーが息を引き取ると、捕らえられていた3人は、

スパイダーネットとスパイダーフルイドから解放される。

 

みさとりんみさとりん

ハァハァ・・・、蜘蛛の糸と液体が消えたわ。

そして、みさとりんは弟に駆け寄る。

 

みさとりんみさとりん

大丈夫ですか?

しかし、時すでに遅く、弟の体はスパイダーミイラによって衰弱していた。

 

弟

わ、私は、も、もう、ダ、ダメです・・・。

みさとりんみさとりん

何を言うの。しっかりして!

弟を心配する「みさとりん」ではあったが、彼女もまた危ない状況にあった。

 

スパイダーミイラには掛かっていなかったものの、スパイダーフルイドによって、

仮面の裏側に貼ってあった粘着テープは、ほとんど溶かされてしまっていた。

 

そして、しっかりと「みさとりん」の顔に貼り付いていた仮面ではあったが、

粘着力が無くなり、とうとう「みさとりん」の顔から剥がれ落ちてしまう・・・。

 

みさとりんみさとりん

キャッ!

みさとりんは、手袋をした両手で素顔を覆う。

 

弟

きっ、君は、さっきの・・・。

みさとりんみさとりん

いやだっ!見ないでっ!

みさとりんは、弟に素顔を見られてしまうが、

その後、すぐに弟は息を引き取った為、みさとりんの正体が公になる事は無かった。

 

そして、警察と職場の仲間達が工場に到着する。

 

みさとりんみさとりん

いけない。早くこの場から立ち去らないと・・・。

みさとりんは、落ちた仮面を拾い、急いでスター・シップ内へと戻る。

 

そして、工場の中へと入って来る警察官達・・・。

 

警察官警察官

こっ、これは?

男性A男性A

お、お前達、どうして、そんなミイラの姿に・・・。

男性B男性B

魔星の仕業かっ!おのれっ、俺達の仲間を・・・。

警察官警察官

しかし、どうした事だ?魔星も死んでいるぞ。

そして、スター・シップに戻った「みさとりん」は仮面を付け、

落ちないように手袋をした左手で押さえていた。

 

由衣由衣

大丈夫?

みさとりんみさとりん

うん・・・。でも、とうとう、由夏と由衣にも

素顔を見られてしまったわね。

たとえ由夏と由衣と言えど、

みさとりんの素顔は私だけの秘密だったのに・・・。

由夏由夏

いいじゃない。メグミの化粧をした顔って、すっごく綺麗!眼福だわ。

みさとりんみさとりん

嫌だわ。そんな褒め方をされても・・・。

みさとりんは屈辱で顔を赤くし、手袋をした右手の人差し指で鼻の下をこするのであった。